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連載:千座の置き戸(ちくらのおきど)【続・祭祀の道】編

第百七十一回 飽和絶滅の危機 その十五

ほやのきが はげしくしげる そのはてに さくらほろびて ともにつひゆる
(ほやの木(宿り木)が激しく茂るその果てに桜(宿主)滅びて共に潰ゆる)


令和3年2月3日に、「新型インフルエンザ等対策特別法等の一部を改正する法律」が通常国会で可決・成立して即日公布され、同年2月13日から施行されました。

これは、感染症の予防及び感染症法の患者に対する医療に関する法律(感染症法)、新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)など11本の法律を一括して改正したものです。

そして、これまで、武漢ウイルス感染症は、感染症法の「2類相当」の指定感染症でしたが、2月13日からは、「新型インフルエンザ等感染症」といふ新たな設けられた感染症類型が定められて、その類型のひとつとして指定された「新型コロナウイルス感染症」といふことになりました。


これは、「2類相当」から「1類同等」へと格上げされたのです。前回の第170回において、「2類相当」としたのは誤りで、「1類同等」と訂正します。


つまり、患者、疑似症及び無症状病原体保有者に関する届出、法に基づく入院勧告及び就業制限通知を直ちに行ふことが義務付けられました。これは、2類の、結核、SARS、MWRSなどとは異なり、1類の、エボラ出血熱やペストなどと全く同じなのです。初めは「2類相当」として運用してきたものを、なし崩し的に「1類同等」としてきたことを法律で追認させたことになります。


こんな改正までして「新型コロナウイルス感染症」を1類同等として取り扱ふことを恒常化したことになりますが、このことは、ワクチン接種を強引に推進する政策と不可分一体の関係にあります。


平成6年になされた予防接種法の改正により、これまで定期接種における「接種義務」が「努力義務」へと変更されました。

このことの経緯については、これまでいろいろと論じられてゐますが、これは、昭和27 年から昭和49 年にかけて、種痘などの予防接種を受けた後に、死亡したりその副作用による心身障害の後遺症を抱へることになつた患者とその両親ら62 家族159 人が、国を被告として損害賠償を求めた「予防接種被害東京集団訴訟」において、東京高裁が平成4年12月18日に、「接種を回避すべき禁忌者に予防接種を実施させないための十分な体制づくりをしていくうえで、これを怠った過失があった」として国の責任を認める判決がなされたことによるものです。


そして、この平成6年の改正予防接種法では、インフルエンザなど臨時の予防接種は廃止され、「集団接種」から個人の同意によつてなされる「個別接種」へと大転換しました。


しかし、国際オロチの企てるワクチン利権は、さう簡単に終はりません。

幾度となく、パンデミックを起こし、パンデミックであると装ふことで、努力義務になつたものを接種義務に再度引き上げて集団接種を受けさせることによつて大量にワクチンを購入させるワクチン利権ビジネスのレコンキスタを企ててきました。


その1つが、平成21年春から始まつた、「いはゆる新型インフルエンザ」パンデミックの「から騒ぎ」でした。このことについては、平成22年7月23日に掲載した拙稿『子宮頚がん予防ワクチンの危険性』に詳しく述べてゐます。


ここで、「いはゆる」新型インフルエンザと言つたのは、実は、このインフルエンザ(A(H1N1)2009)は、「新型」ではなかつたためです。WHOが嘘を貫き通したかつたのは、背後に支配してゐる巨大なワクチン利権の顔色を窺つてゐたからでした。

新型インフルエンザの定義は、「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。」(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第7項第1号)とされてゐるのですが、このときのインフルエンザウイルスは、通常のA型インフルエンザであり「新型」ではなかつたのです。


現に、WHO は、平成21年4月29日に、フェーズ4をフェーズ5に上げたものの、名称をインフルエンザA(H1N1)であると訂正して、通常の(新型でない)インフルエンザであるとしたからです。にもかかはらず、同日、舛添要一厚生労働大臣は、緊急記者会見を行ひ、新型インフルエンザが登場したと虚偽の表明をし、マスコミもこれに追随して真実を隠蔽してしまつたのです。


このやうなことから、WHOが製薬会社の圧力に屈してパンデミック宣言を出したのではないかといふ疑惑が起こり、欧州会議保健衛生委員会の委員長である感染症の専門家ヴォルフガンク・ヴォーダルク医師(ドイツ人)の平成21年12月21日の動議に基づいて欧州会議が調査を開始する事態となりました。


この問題は、早くから指摘されてゐたのですが(平成21年5月『臨床とウイルス』の堺春美東海大学小児科助教授の特集論文)、これ以後、さらに理解に苦しむ推移をたどります。それは、国民の成人の3分の1がA(H1N1)2009インフルエンザに対する免疫を保有してをり、安価な国内産ワクチンで充分に対応ができたにもかかはらず、ことさらに、安全性が確認されてゐない、しかも高価な海外ワクチンを大量に輸入して調達したのです。


具体的には、当時の報道によると、民主党政権となつて間もなくの同年10月6日、日本政府は、イギリスのグラクソスミスクライン社(GSK)とスイスのノバルティスファーマー(旧名・カイロン社)との間で、スクワレン(スクアレン、鮫の肝臓成分)を主成分とするアジュバント(Adjuvant)が添加されたインフルエンザ予防ワクチンを緊急輸入する契約を締結しました。このGSKのインフルエンザ予防ワクチンの商品名が「ハンデムリックス/アレパンリックス」であり、さらに、10日後の同月16日には、そのGSKの子宮頚がん予防ワクチン(商品名「サーバリックス Cervarix」)が日本国内で製造販売が承認され、同年12月22日から日本で販売を開始しました。


これにもスクワレンなどのアジュバントが添加されてゐます。これは、まさにインフルエンザ予防ワクチンの緊急輸入に応じてくれたことの不正な見返りと言っても過言ではありません(このことについて政治介入があつたことは確かです。)。


ところで、それまでの臨床例において、GSKのインフルエンザ予防ワクチンの副作用(副反応)、特に死亡例や重いアナフィラキシー(即時型重度過敏症反応)が生じてゐることが報告されてをり、カナダのマニトバ州では、GSKのインフルエンザ予防ワクチンを接種後に、アレルギー症状の一種である呼吸困難や血圧低下に陥る重いアナフィラキシーが6例発生してゐたことから、カナダではGSKのインフルエンザ予防ワクチンに副作用(副作反応)があることを理由に使用中止となり、同年11月12日に、副作用の懸念されるスクワレンを主成分とするアジュバントが添加されてゐない(without Adjuvant)GSK製のインフルエンザ予防ワクチンが緊急に製造承認されたのです。


また、米国FDA(食品医薬品局)は、スクワレンに認可を与へてゐないため、同月10日、GSKが申請してゐたアジュバントのない(without Adjuvant)不活化インフルエンザ予防ワクチンを認可してゐます。なほ、ロン・ポール議員が、オバマ大統領が一般大衆にはインフルワクチンを勧めてゐるのに、自分の娘が接種を受けることを拒んでゐるのはなぜかと問題にしてゐることも、ワクチンが危険なものであることを示唆するに充分なものでした。


このやうな事態を踏まへれば、アジュバントが添加されたインフルエンザ予防ワクチンの緊急輸入契約を解除し、国内産ワクチンに切り替へるか、少なくともカナダや米国FDA(食品医薬品局)と同様に、スクワレンが添加されてゐないワクチンの輸入契約に変更する措置をとるべきだつたのです。ところが、厚生労働省がカナダへ調査に行き、なんと、原因解明に至らないとしたまま、すでにアジュバント添加のインフルエンザ予防ワクチンの輸入契約を締結してゐるという理由にならない理由によつて特例承認をした上で輸入し、接種が始まつたのです。薬害エイズ事件、薬害肝炎事件以上に、国民の健康を犠牲にして、外国の製薬会社と癒着してゐると疑はれても当然です。そして、お茶を濁すかの如く、わが国は、翌22年1月15日、GSK とノバルティスファーマに対して売買契約の解除交渉を水面下で開始したと報道されましたが、結局はワクチンの危険性を理由とする解除はしなかつたのでした。


民主党政権下の参議院厚生労働委員会において、ワクチンの特例承認がなされる前から執拗なまでに子宮頸がんワクチンの接種を義務付けやうとして、長妻厚労大臣に対し、GSKの子宮頸がんワクチンが安全であると答弁を引き出した公明党の松あきらの夫は、GSKの顧問弁護士だつたことが事後に週刊文春で暴かれました。


このやうに、わが国の政府とすべての政党は、ワクチンの特例承認がなされる前から、安全で有効だとの大合唱をして、ワクチン会社の「営業」を国費を使つて行つてきたのです。

これらの経緯からしても、WHOも、わが国でも政党のすべてがワクチン利権にどつぷりと浸かつてゐることを示してゐのです。


そして、今回の武漢ウイルス騒ぎです。ここで一気にレコンキスタを実現しようとしてゐるのです。


ワクチン接種は、努力義務ではなく、安全かつ有効だと喧伝して、実質的には接種義務があるかのやうに強く接種を奨励し、集団接種を実施して行くのです。これは、なし崩し的に予防接種法を平成6年の改正以前に戻さうとする企みなのです。


ともあれ、武漢ウイルス感染症は、正式名称として「新型コロナウイルス感染症」とされました。「新型」といふ言葉は、平成21年に「新型インフルエンザ」と嘘をついてきた狼少年のやうなわが国政府の命名ですので、全く信用できません。


また、これからもBC兵器テロなどで「新型」ウイルス兵器が出てくる可能性もあり、「新型」の命名がいつまで続くのかといふ保証もなく、さらに新たに新型コロナウイルスが出てきたら、名称変更のためだけに、また法律を改正するといふ面倒なことになります。


「新型コロナウイルス」といふのは、長々しいので「新コロ」と略称する人も居ますが、これを固有名詞にして、「支那コロ」とか「秦コロ」としてはどうかと思ひます。侮蔑語とされる「チャンコロ」を連想する人も居ると思ひますが、これは、決して他意のある略称ではありません。


南出喜久治(令和3年5月15日記す)


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