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連載:千座の置き戸(ちくらのおきど)【続・祭祀の道】編

第百七十三回 飽和絶滅の危機 その十七

ほやのきが はげしくしげる そのはてに さくらほろびて ともにつひゆる
(ほやの木(宿り木)が激しく茂るその果てに桜(宿主)滅びて共に潰ゆる)


さて、これまでワクチンのことを詳しく述べてきたのは、これが国際オロチが世界を独裁支配するための主要な戦略の一つだからです。


つまり、国際オロチとしては、このまま世界の人口が増え続けて人類の飽和絶滅を招くことは、世界支配を達成しようとする目的からすると元も子もなくなるので、世界の人々が余り抵抗のない方法で人口削減させるために、ワクチン開発を採用したのです。

それが、繰り返し述べてゐるとほり、ビル・ゲイツ氏が、平成22年1月、ダボス世界経済フォーラムにおいて、開発途上国の子供向けに感染症ワクチン開発(子宮頚がんワクチン含む)に今後10年間に100億ドル(約1兆円)規模の投資を行ふと発表し、同年2月にも、ビル・ゲイツ氏の傘下にあるビル&メリンダ財団を通して世界中にもっとワクチンを送り込み、新たなワクチンや医療、生殖健康サービス(要するに中絶推進)を本当にうまく使へば、世界の人口を10%から15%程度は減らせるとの希望的予測を発言したことに繋がつてゐるのです。


しかし、断種ワクチンによる人口削減は、ワクチン自体に対する不安感、抵抗感などが広がつてゐることによつて、それほど効果が見られないかも知れません。しかも、ワクチンにより10%から15%程度人口減少できるとしても、世界的な人口爆発を食ひ止めることにはなりません。


国連の昨年における「世界人口展望」 (World Population Prospects)によると、21世紀半ばのキリスト教暦2050年までに90億人を突破、その後は増加のペースが鈍化していくものの21世紀末までに100億人を突破するとの予測をしてゐます。しかし、これは、世界の食料生産量の限界からして、到底あり得ないのですが、国際オロチの指示により、危機感を煽つて産児制限を促進させるための喧伝をしてゐるのです。


むしろ、世界人口は80億人で頭打ちになるといふ予測があります。それ以外にも世界人口が頭打ちになるといふ理由はいろいろと説明されてゐますが、生活維持のための妊娠控へといふのもありますが、最も影響が認められるのは、大量の薬物、ワクチン、環境ホルモンなどによる生殖機能の劣化などです。


国際オロチに属する支配層としては、これらの影響から逃れて子孫を維持し、その他の世界人類は、薬漬けにして生殖機能を低下させて人口減少が実現できれば目的は達成できますが、それほど簡単に人口減少はできません。


ではどうしようとするのでせうか。


アメリカ大富豪のイーロン・マスク氏は、マイクロ電子チップを人間の脳に移植して完全に自動化できるロボットを開発してゐます。つまり、このことからして、国際オロチの目指すものは、世界の全人類をAIによる奴隷牧場でベイシック・インカムの手法で飼育し、電子的ナノチップで洗脳された全世界の民から、飽和絶滅の危機から救つてくれた救世主と崇められることです。

この方向は、AIロボットを限りなく人間に近づける「人間化」と同時に、人間を電子的技術によつて洗脳して「ロボット化」することです。


その第一歩として、世界70億人の人間を「マーク」して支配することであり、これは令和元年に、ID2020カンファレンスとして紹介されてゐます。ID2020の意図としては、キリスト教暦2030年までにすべての人間にデジタルIDを提供するものです。


ロックフェラー財団支援の国際NPO団体「the Common Project」及び、世界経済フォーラム(WEF)が共同で、「Common Pass」イニシアチブを推進します。

このイニシアチブでは、世界共通の検査結果・ワクチン接種の電子証明書「Common Pass」(コモンパス)」の枠組み構築に向けた国際的な議論を主導してゐるのです。


これにより、国際オロチは、マイクロ電子チップを入れたワクチン接種を世界人民に義務付け、ワクチン接種した者を奴隷化して、国際オロチの意のままに、政治や経済を支配することになるのです。これに抵抗する者は、完全に排除されるのです。


このやうな国際オロチの理想郷に近いものを描いた映画がありました。それは、平成25年製作のアメリカSF映画『エリジウム』(Elysium)です。


そもそも、エリジウムといふ言葉は、ギリシア・ローマ神話に出てくる「楽園」のことであり、神々に愛された人々が死後に幸せに暮らすところです。フランス大統領官邸の「エリゼ宮」は、これを語源としてゐます。


ところで、この『エリジウム』といふ映画の設定は、荒廃してスラム化した地球と、それを見下ろすエリジウムと呼ばれるスペースコロニーがあるといふものです。


そして、地球には貧困層、エリジウムには極一部の超富裕層が暮らし、完全隔離されてゐたのですが、最終的には、地球に住む者もエリジウムと同じやうに暮らすことになり、医療において国民皆保険が受けられることになるといふ、シェイクスピアの云ふ「喜劇」としてのハッピーエンドとなつてゐます。


そのあらすじは、次のとほりです。


キリスト教暦2154年、世界は完全に二分化されてゐて、極一握りの超富裕層だけが地球上空のスペースコロニー「エリジウム」で、どんな病気でも瞬時に直す医療ポッドが各家庭に一台あるといふ奢侈で裕福な何一つ不自由のない暮らしができるのに対し、地球上の殆どの人類は、荒廃し切つてスラム化した地球環境の中で明日をも知れない極めて貧しい生活を強いられてゐました。

そんな地球に暮らすマックスは、致死量の放射線を浴びる事故に遭つて余命5日と宣告されたことから、生き残るには救命の医療施設があるエリジウムに進入することしかないとして、いろいろな波乱の末にエリジウムに侵入し、その中央制御室で、地球の全人類がエリジウム住民として認識され、地球に多くの医療ポッドが派遣されるやうにデータを書き換へます。マックスは、次第に意識が遠のく中でその作業をし、地球の多くの病人などが元気になるやうにデータを書き換へ、それが完了すると息絶えます。しかし、データの書き換へが終了したことにより、全ての地球人がエリジウム住民として認識され、多くの医療ポッドが派遣され、多くの病人などが元気になるといふ話です。


こんな幼稚で矛盾の多い映画をよく作つたものです。超富裕層が作つたエリジウムのセキュリティがこんなに脆いものであるはずはなく、データの書き換へが容易な筈がありません。あきれ果ててものも言へない代物ですが、この映画は、時期的に見て、オバマ大統領の2期目の選挙における国民皆保険制度(オバマケア)の宣伝広告映画として作られた旗振り映画でした。


ところで、この国民皆保険制度(オバマケア)とは、わが国と同じやうなものを目指したものですが、これには大きな問題がありました。

わが国では、公的医療保険制度としての国民皆保険であり、これは公共的、公益的な「富」の制度として当たり前のことのやうに思つてゐますが、アメリカでは医療は民営であり、医療機関の技術の質はまちまちで、医療費は驚くほど高額なものから一般的な安価なものまでピンからキリの状態で、その医療保険制度も世界一複雑なものです。人々は民間の医療保険に加入して、医療を市場原理に委ねてゐるため、これを公的な国民皆保険にするのは、市場原理を破壊するといふ反対意見が根強かつたのです。

アメリカでは医療保険は任意なので加入義務はありません。貧困者の多くは保険未加入です。保険未加入だと、事故や病気になると信じられないやうな医療費が請求されるので、診療を受けたくても受けられないのです。

民主党の地盤であるカリフォルニア州などでは、低所得者向けの保険制度や、高齢者向けの保険制度がありますが、それ以外の州との格差がある上、その制度に反対する州もあつて、アメリカ全体として統一的な公的医療保険制度を作ることは、民業圧迫といふ事態を招くとの抵抗があつて簡単ではなかつたのです。

ですから、オバマケアは、極めて限定的なものでした。公的医療保険がカバーする範囲を拡大すること、民間の医療保険に対する規制を強めること、そして、医療保険に入ることを「義務化」することなどに限られました。


特に、保険加入義務を認めると、既に高額治療を受けてゐる人や持病を持つてゐる人が保険に加入すれば、それに連動して他の契約者の保険料を増額させることになるなどの問題も起こつてくるので、厄介なことになるのです。


いづれにせよ、オバマケアをダシにした選挙対策は、それなりに成功したのですが、これにはワクチン利権の思惑と連動したものがありました。


医療保険加入を義務化して、未加入の貧困層に医療的恩恵を与へ、保険料免除措置と引き換へに、ワクチン接種の義務化、被験者になることの義務化を推進することです。直ぐには連動させないとしても、その目論見がありました。

そして、接種させるワクチンの中にマイクロチップを注入し、言論活動、政治活動、経済活動、消費活動を国際オロチの意図する方向へと誘導して統制(行動制御)し、見せかけの民主主義と自由主義によつて国際オロチに抵抗させないやうに洗脳を行ひ、実質的な自由を剥奪することへの伏線だつたのです。


世界の現実は、国際オロチが企図する超富裕層の「エリジウム」建設計画が着々と進んでをり、そのことに人々の目を逸らせて現実逃避させるために、オバマケアをダシにして国際オロチが作らせた謀略映画が「エリジウム」といふ茶番映画だつたのです。


自由主義、民主主義、法の支配などの価値観を共有する国家の連帯を唱へるだけで、格差拡大を阻止するなどの「法の正義」を実現できない空虚な掛け声に支配された「政治」に翻弄される間に、国際オロチによる独裁支配が着々と進んでゐます。


そして、他方において、習近平が支那共産党の絶対者として、スターリンの一国社会主義による統治を実践し、さらには、トロツキーの永続革命論による革命の輸出を行ふに等しい一帯一路の世界戦略も着実に進んでゐます。


支那共産党も、国際オロチと同様のワクチン利権で対抗し、金融についてもデジタル人民元による世界金融支配を目論むなど、ことごとく国際オロチの戦略と対立して凌駕しようとするやうになりました。


この国際オロチのエリジウムであらうが、支那共産党によるエリジウムであらうが、そのいづれかが実現して飽和絶滅が回避されても、人類は決して幸福にはなれません。


では、こんな現実にあつて、これからはどうすればよいのかといふ課題が語られなければならないのです。


南出喜久治(令和3年6月15日記す)


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