國體護持總論
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著書紹介

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昭和二十一年八月

一日、右派勞働組織として總同盟が結成。

同日、内務省警保局公安課が公安第一課と公安第二課に分離。

二日、解散諸團體の財産に關する覺書公布。主な内容は、偕行社、水行社の資産處分の禁止など。

六日、ケーディス・入江會談、ホイットニー・入江會談。字句修正の協議と指示。

十一日、第二次農地改革案發表。

十三日、工作機械・發電所・造船など八部門五百五工場をGHQの管理下に置くことを指令。

十四日、吉田茂首相は、ラジオ放送で「十五日は再建出發の日」と演説する。

十五日、吉田茂首相は、NHKラジオで「戰爭を放棄する格好の機會」と發言。

十七日、國民學校の訓導に「ローマ字教へ方講習會」を實施。

十八日、吉田茂が自由黨總裁に決定。

十九日、左派勞働組織として産別會議が結成。勞働運動の分裂が固定化された。

二十一日、GHQは、「日本人の榮養状態は好轉」したと發表。

同日、衆議院憲法修正特別委員會が再開され、憲法共同修正案(小委員會の修正案及び附帶決議案)を承認して審議が終了し、衆議院本會議が開會されるが、草案第八十四條(皇室財産の國歸屬)の修正などに關する紛糾のため、樋貝衆議院議長の不信任決議案が提出されて議題となつた。贊成、反對の討論の末、翌二十二日夜、同不信任決議案は、贊成百七十九票對反對二百二十七票で否決された。

二十三日、樋貝衆議院議長辭任。後任に山崎猛議員が議長に就任。

二十四日、衆議院本會議が山崎新議長の下で開かれる。芦田委員長の報告演説の後、修正案の審議に入り、委員長報告に對する討論を經て、憲法共同改正案が可決。直ちに貴族院に送付。内閣は、直ちに終戰連絡事務局の協力を得て、衆議院の修正可決案の英譯文を作成してGHQに提出。

二十六日、極東委員會(FEC)は、日本の民事・刑事裁判權が連合國の軍人・民間人に及ばない旨決定。

同日、貴族院本會議に「修正内閣憲法改正草案」が上程(本會議は同月三十日まで)。吉田首相は、衆議院と同樣の提案理由の説明をなし、衆議院における修正を政府は同意すると付言した。

貴族院における質疑の主な論點は、改正手續の必要性と手續、國體と主權の所在、天皇の地位、戰爭放棄など、衆議院でのものと大差はなかつた。宮澤俊義議員は、國體に關しては二通りの意味があり、治安維持法に云ふ國體は變更されたが、文化總體としての國體は變更してゐないとする二分法で説明し、それを金森大臣が支持した。

三十日、貴族院は、帝國憲法改正案特別委員會を設置(審議は十月三日まで)。

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