國體護持總論
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著書紹介

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昭和二十一年十二月

一日、帝國議會は、「憲法普及會」を組織する。

 この憲法普及會は、衆貴兩院議員を評議員とし、評議員と院外者(學者、ジャーナリストなど)の中から理事を選任し、会長は芦田均(衆議院議員)、事務局長は永井浩(文部官僚)が就任。院外者の理事には、河村又介(九大・憲法)、末川博(立命館・民法)、田中二郎(東大・行政法)、宮澤俊義(東大・憲法)、横田喜三郎(東大・國際法)、鈴木安蔵(憲法)などの學者の他、ジャーナリスト、評論家では、岩淵辰雄、小汀利得、長谷部忠などが就任した。この中央組織の下に各都道府縣に支部が翌年一月から三月までにつくられ、京都支部以外の支部長は各都道府縣知事が就任し、その支部事務所は各都道府縣廳内に設置された。まさに、占領憲法による洗腦運動の「大政翼賛會」であり、その活動はGHQの指圖に基づいたものであつた。

 六日、極東委員會(FEC)は、『日本の勞働組合に關する十六原則』を決定。

 十一日、『臨時物資需給調整法に關する覺書』を公布。これにより、戰後經濟における物資統制の基本方針を提示。

 十八日、極東委員會は、『日本の勞働組合奬勵に關する十六原則』を決定。占領目的を阻害する勞働運動の禁止など。

 十九日、GHQとソ連が、在ソ邦人引揚げ協定を調印。

 二十日、佛軍がベトナムのホー・チ・ミン政權との暫定協定を破棄してハノイを占領。ホー・チ・ミンは對佛徹底抗戰を宣言し、第一次インドシナ戰爭に突入する。

 二十六日、GHQは、對日理事會(ACJ)ソ連代表と日本人の引き揚げについての協定に調印。この協定により、GHQはソ連抑留者歸國數を月五萬人と發表。

 二十七日、閣議で、石炭・鐵鋼中心の「傾斜生産方式」(石炭・鐵鋼超重點增産計畫)に轉換を決定(傾斜生産方式の開始)。

 同日、第九十二回帝國議會召集(十二月二十八日開會。翌昭和二十二年三月十日再開、三月三十一日解散)。

 同日、吉田茂が、大逆罪・不敬罪の存置要求についてマッカーサー宛に書簡送付。

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