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例 言

一 國語表記について

1 正統假名遣ひによる。

2 漢字表記については、引用文や文獻名などを除き正字(本字)とした。ただし、縁、禍、祈、虚、勤、謹、掲、視、者、社、祝、祖、層、憎、即、祷、涜、剥、併、莽、余、涙、暦、録などについては編集技術などの理由により正字で表記できないため俗字を用ゐた。

二 引用の文獻と資料について

1 主要な引用文獻及び參考文獻、引用した資料文書については末尾に時系列的に表示した。

2 引用文獻の著作名と著作者、法令、宣言などの文書名などは、本文中に『 』で表示するか、あるいは、文獻番號や資料番號を括弧書きで示した。

3 引用した文獻及び資料の内容は、原則として、官報及び法令全書その他の原典に基づく。なほ、『古事記』、『日本書紀』からの引用は、日本古典文學大系(文獻番號30、43、48)の訓み下し文によつた。

4 文獻及び資料の引用部分並びに文脈上の強調部分は、「 」を用ゐてゐる。また、引用文中にある「 」の括弧書き部分は、『 』で表記する。ただし、法令の各條項の引用については、末尾の資料 として全文を掲載したものについては省略する場合がある。

三 年號、紀元表示について

1 本書で表記する年號は、神武天皇即位紀元(以下「皇紀」と略稱)及び元號を用ゐる。皇紀(皇暦、神武暦)は我が國の紀年法であり、常に西暦紀元(以下「西紀」と略稱)よりも六百六十年大きい値となる。ただし、月日についてはグレゴリオ暦(太陽暦)によつた。

2 西紀は、グレゴリオ暦を用ゐるものであるが、キリスト教(基督教)の始祖イエス・キリストの生年を元年とした紀年法である。後にその生年に誤差が生じてゐることが判明したものの、西紀は、「A・D」といふ略號で表示され、この「A・D」とは、ラテン語の「Anno Domini」(アンノ・ドミニ)の略であり、「イエス・キリストが支配・君臨してゐる年數」の意味である。

3 我が國には、元號法はあるが、基督教の布教の一助となる西紀(基督教暦)の使用を義務付けた法律はない。また、我が國には「皇紀年號」があると同樣に、韓國には檀君神話による「檀紀年號」があり、佛教文化圈には、「佛紀年號」がある。他にも「イスラム暦」や「イスラエル暦」など世界には樣々な紀年號が用ゐられてをり、西紀は基督教文化圈やその植民地などで用ゐられてゐるに過ぎない。現在、我が國では、西紀を漫然と一般化して使用する風潮とそれを意図的に助長する運動があるが、これは屬國化、植民地化の風俗を固定化するものであるとの認識から、本書においては、その宗教的強制を峻拒して、自覺的に皇紀及び皇紀世紀を用ゐるものである。ただし、皇紀表示に不慣れな讀者の事情を配慮して、皇紀年數の表示を「西紀年數+660」といふ數式表示とした。從つて、例へば、第一章本文中にある「寛文九年(1669+660)」の表示は、「寛文九年(皇紀2329年)」の意味であり、すべてのこの例による。

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