自立再生政策提言

トップページ > 自立再生論02目次 > R03.03.15 第百六七回 飽和絶滅の危機 その十一

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連載:千座の置き戸(ちくらのおきど)【続・祭祀の道】編

第百六十七回 飽和絶滅の危機 その十

ほやのきが はげしくしげる そのはてに さくらほろびて ともにつひゆる
(ほやの木(宿り木)が激しく茂るその果てに桜(宿主)滅びて共に潰ゆる)


現代医学は進歩し続けてゐると言はれてゐますが、本当にさうでせうか。


人の持つ免疫力や自然治癒力を生活習慣の中で向上させる医食同源などの考へが医療の原点です。ところが、現代医学は、生活指導などから離れ、専ら医療を専門化して、生活環境を人為的な薬物依存、薬漬けにして混乱させて不健康な社会にしてきました。


予防でも治療でも投薬や手術などに依存することが果たして進歩なのでせうか。

これが進歩といふのであれば、人類の全てが薬漬け、手術漬けの不健康な生活状態になることを医療が目指してゐることになります。


歴史的かつ客観的に見て、もし、医療が「進歩」して、その「成果」が上がつてゐるとすれば、そのバロメータは、医療費の減少と病人の減少の筈ですが、いくらでも医療費と病人数が右肩上がりを続けてゐる現状では、医療は混迷、停滞してゐると言へます。


厚生労働省が公表した平成29年度の国民医療費の概況では、平成29年度の国民医療費は43兆0710億円で、前年度比2.2%増で、統計を開始した昭和29年度以降で過去最高を記録しました。この右肩上がりの傾向は、将来も続きます。


平成29年度の人口1人あたりの国民医療費は、33万9900円になります。「国民医療費」とは、医療機関で保険診療の対象となつた傷病の治療に要した費用のことで、診療費のほか、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費などが含まれます。

つまり、これには、保険診療の対象ではない先進医療などや、特別室への入院、不妊治療での生殖補助医療などに要した費用は含まれないので、実質的な医療費は、さらに膨らみます。


これに対し、同年度の一人当たりの国民総所得は、41,310ドル(4,544,100円)ですから、老いも若きも総所得の10%程度の医療費を負担してゐることいふことです。

こんな不健康社会になつてしまつたのです。


特に、現代の医療における薬物依存の傾向は目に余るものがあります。


その中でも、薬漬けの最たるものは、向精神薬です。向精神薬といふのは、さまざまな定義がありますが、ある定義によれば、「中枢神経(脳)の他の機能に重大な変化を与へることなしに、精神機能や行動あるいは情動面に著しい影響を及ぼす薬物」とされます。

これには、抗精神病薬(統合失調症の治療薬)、抗不安薬(神経症の治療薬)、抗うつ薬(うつ病の治療薬)、抗躁薬、気分安定薬(躁病の治療薬)、睡眠薬(不眠の治療薬)、抗認知症薬、精神刺激薬などがあります。


これらが、心療内科、精神科で投薬され、薬物依存の患者を量産し、リピーターを増やして経営を安定化させます。製薬会社と医療機関の連携による「精神医療産業」が巨大化してゐます。


「気分障害」といふ病名を付けて、「うつ病」と「双極性障害(躁うつ病)」に分類して、何でもかんでも病気にします。気分障害とは、文字通り気分が沈んだり、「ハイ」になつたりする病気であるとします。つまり、誰でもそのやうなことが起こりうるし、「心の風邪」といふ程度の状態で、自然治癒することが多いのに、これを無理矢理に「気分障害」として、病気にします。しかも、その症状からして確定診断できないものを無理矢理にでも「うつ病」と断定して確定診断してしまひます。つまり、誰の人生にもそんな時期があるので、全人類を例外なく気分障害の患者だと決めつけることです。さうすることによつて金儲けするのが「精神医療産業」なのです。これも国際オロチが編み出した世界戦略なのです。


心療内科、精神科では、投薬の処方しかしません。投薬することだけなのに、それを治療だとするのです。刑務所の医務課の医師と同じです。投薬を続ければ薬物依存症となり、薬無くしては生活できなくなります。リピーターを増やすことによつて病院経営は安定し儲かるのです。


薬物依存症になるのは、中枢神経(脳)の他の機能に重大な変化を与へるから起こる現象です。そのため、向精神薬が、「中枢神経(脳)の他の機能に重大な変化を与へることなしに、精神機能や行動あるいは情動面に著しい影響を及ぼす薬物」とする定義は明らかに誤つてゐます。向精神薬は、「中枢神経(脳)の他の機能に重大な変化を与へる薬物」なのです。


平成8年では、気分障害の患者が43万3000人で、そのうち、うつ病は20万7000人でした。ところが、平成20年には、気分障害の患者が104万4000人と膨れ上がり、そのうち、うつ病は70万4000人です。うつ病が12年間で3.4倍になつたのです。


これは、心療内科や精神科を訪れた軽い「心の風邪」を引いた人が、薬物依存症のうつ病患者にさせられてリピーターになつてしまつたといふことです。


そして、このやうな過剰な投薬は、老人ホーム、障害者施設、刑務所、少年院、児童養護施設などでも実施されてゐます。これらの薬物は、乳幼児、未成年者の治験データがないのに、乳幼児や未成年者にも平気で投薬します。

暴れたりすることを止めさせるため、クレーマーが出ることで、少数の陣容で行つてゐる施設管理が乱されることをなくすために、投薬して温和しくさせるためです。投薬を受け入れない者に対しては、こつそりと食品に内緒で混入させます。


このやうな閉鎖的な管理施設では、この方法が最も管理しやすいのですが、これを一般の社会においても広げるために、心療内科や精神科は活躍してゐるのです。


今回の武漢ウイルスのワクチンのドタバタ劇は、滑稽といふほか言ひ様がありません。武漢ウイルスの後遺症についての対処をせずに、ワクチンが開発されれば全てが解決すると喧伝してきた国際オロチの協力者の言説は、誰も信じなくなりました。


厚生労働省が密室で特例承認しただけで安全性が証明されたとし、その詳細な経緯と情報の完全開示をすることなく、安全性は満たされたとして、政府、医療関係者、メディアなどによる混声合唱団が、アンゼン、アンゼンと根拠もなく捲し立て、接種推奨に前のめりになつてゐます。


そんなに安全であれば、どうして、特別措置法まで作つて、製薬会社に対する薬物禍による損害賠償請求を免責させ、その責任を国が肩代はりまでするのですか。

さらに、安全性が確認できない段階であるにもかかはらず、特別に先行して薬物の購入契約までしたのですか。

こんな方法で外国の薬物を受入れて、安全性の検査を殆ど省略して「特例承認」するのですか。

こんなことは、今回の武漢ウイルスのワクチンだけではありません。これまでのインフルエンザワクチンも、子宮頸がんワクチンも、すべてこの3つの特別によつて導入してきたのです。


これまで、安全性については、国民の皆さんが納得できる説明をすることを約束してゐましたが、いつの間にか立ち消えてゐます。メディアもこれを指摘しないので、何の役にも立たず、子宮頸がんワクチンと同じ有様です。学習効果が全くなく、同じ過ちを繰り返すことは確実です。


仮に、ワクチンに効果があるとしても、国民の70%に接種が終はつて集団免疫ができるまでには、接種したワクチンの効果は消滅してしまふので、いつまで経つてもイタチごつことなり、集団免疫はできません。


ましてや、変異種については、これまでのワクチンは殆ど効果がないので、有害以外の何者でもありません。この現実を知つてゐながら、ワクチン接種に拘るのは、人口減少と人民統制を目的とした国際オロチのワクチン政策に追従せざるをえないからです。


前にも述べましたが、動物実験などによる非臨床試験では、治験用の動物の生殖発生毒性試験については、生殖機器への影響が懸念される場合をチェックすることになつてゐますが、懸念されるか否かは製薬会社に丸投げですから、そんな懸念はないとしないと、余計な経費がかかるので、する筈がありません。

また、遺伝毒性試験やがん原性試験は「必要としない」のですから、恐ろしいものです。


人間に投薬する薬物でもそんな状況ですので、ましてや、家畜用のワクチンでは、そんなことは完全に無視されます。牛、豚、馬、鶏に対して如何はしいワクチンを接種し、その毒性試験も不充分なまま、肉や卵を出荷してゐます。


不充分どころか、産業としての畜産業では、生産性が落ちるとして、口蹄疫とか鶏インフルエンザなどが検出されると、生産効率が低下した「機械」とされた家畜を「殺処分」と称して大量虐殺します。口蹄疫などは、暫く療養させれば自然治癒するものなのに、一頭でも罹患すれば、その畜舎の全ての家畜は皆殺しになるのです。

これが世界のどこでも行はれてゐます。世界はなんと悍ましい社会なのでせう。


人間の世界に置き換へれば、小学校の児童の1人がインフルエンザに罹れば、その小学校の児童全員が皆殺しになるのです。動物愛護なんていふものは偽善も甚だしいのです。


そんな社会に住んでゐることを踏まへて、ワクチン問題を捉へなければなりません。武漢ウイルスが怖いといふ喧伝に煽られて、ワクチン、ワクチンと大騒ぎするワクチン真理教の呪縛から解き放されて、人類の未来を語る必要があります。


ところが、世界の感染症対策として、さらに考へなければならない、もつと深刻な問題があります。


それは、次に述べる抗生物質の問題です。

南出喜久治(令和3年3月15日記す)


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