國體護持總論
トップページ > 著書紹介 > 國體護持總論 目次 > 【第二巻】第二章 大東亞戰爭と占領統治 > 第五節:占領統治の經緯とその解説

著書紹介

前頁へ

昭和十六年

四月十三日、我が國はソ連との間で、『大日本帝國及「ソヴイエト」社會主義共和國聯邦間中立條約』(日ソ中立條約。昭和十六年條約第六號)を締結。その内容の要旨は、①相互の領土の保全と不可侵、②第三國との戰爭における相互の中立義務、③有效期間は批准から五年、④期間滿了一年前に破棄通告がなければさらに五年間自働延長、といふものであつた。

四月十六日、日米諒解案(①全ての國家の領土保全と主權尊重、②他國に對する内政不干渉、③通商を含めた機會均等、④太平洋の現状維持の四項目からなるいはゆる「ハル四原則」を日本側が受け入れることを前提としたもの)を日米交渉の出發點とすることで合意。

八月十四日、『英米共同宣言』(大西洋憲章)發表。これは、英國首相のウィンストン・チャーチルとアメリカ合衆國大統領のフランクリン・ルーズベルトとの間で調印された憲章であり、美辭麗句の竝ぶ中で注目すべきは、「兩國ハ關係國民ノ自由ニ表明セル希望ト一致セザル領土的變更ノ行ハルルコトヲ欲セズ」とする第二項と、日獨伊の樞軸國に對する「武裝解除」を求める第八項である。

十一月二十六日、米、ハル・ノート通告。

十二月一日、ソ連、日ソ中立條約遵守を通告。

十二月八日、大東亞戰爭開戰。眞珠灣攻撃。

十二月九日、アメリカは、對日戰爭終結後の日本占領を想定して、その占領下における洗腦目的の徹底した檢閲を實施するために、J・エドガー・フーヴァーFBI長官を檢閲局長官臨時代理に任命する。

十二月二十日、合衆國檢閲局が正式に設置を定められ、AP通信社編集局長バイロン・プライスが檢閲局長官に任命される。

続きを読む