國體護持總論
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著書紹介

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昭和二十二年八月

二日、中學校用副讀本『あたらしい憲法のはなし』、高校用副讀本『民主主義の手引』を發行。

 『あたらしい憲法のはなし』の「六 戰爭の放棄」には、「こんどの憲法では、日本の國が、けっして二度と戰爭をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戰爭をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戰力の放棄といいます。『放棄』とは、『すててしまう』ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの國よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。もう一つは、よその國と爭いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの國をほろぼすようなはめになるからです。また、戰爭とまでゆかずとも、國の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戰爭の放棄というのです。そうしてよその國となかよくして、世界中の國が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の國は、さかえてゆけるのです。みなさん、あのおそろしい戰爭が、二度と起こらないように、また戰爭を二度とおこさないようにいたしましょう。」と書かれてゐた。

 同日、放送分野の事前檢閲が廢止。自主檢閲と事後檢閲に移行。

 四日、最高裁判所發足(初代長官・三淵忠彦)。

 十四日、パキスタンがイギリスから獨立(イギリス連邦内)。

 十五日、インドがイギリスから獨立(イギリス連邦内)。

 同日、GHQと政府の強力な監督下に民間貿易が再開。

 二十一日、米領事館にGHQ將兵と日本人女性との結婚八百二十二組が屆け出る、と新聞で報道。

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