國體護持總論
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眞正護憲論の特徴その三

第三の特徴は、「ポツダム宣言の受諾と降伏文書の調印によつて獨立を喪失し、桑港條約の締結によつて獨立を回復するまでの非獨立占領統治時代になされた行爲は、いづれも帝國憲法第十三條の講和大權に基づいて締結された一連の講和條約群であることを眞正護憲論(新無效論)が明らかにしたこと。」である。

これは、ポツダム宣言の受諾と降伏文書の調印といふ「獨立喪失條約」によつて獨立を喪失し、桑港條約といふ「獨立回復條約」によつて獨立を回復するまでの一連のものを「講和條約群」と捉へ、その中間に位置するものとして、占領憲法といふ中間の講和條約が締結されたものと認識することである。

これを視覺的に説明すれば、非獨立占領統治の暗黑時代をトンネルに見立て、この「非獨立トンネル」の入口に獨立喪失條約といふ「入口條約」があり、出口に獨立回復條約といふ「出口條約」があるといふことであり、このことが後に述べる理由によつて、その中間に占領憲法といふ「中間條約」(東京條約、占領憲法條約)を位置づけることができることになつた。そして、このトンネル内の期間になされた一切の行爲は、占領憲法を含め、すべてが一連の講和條約群(講和條約及び講和行爲の總體)であると認識できることとなつたのである。

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