國體護持總論
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著書紹介

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マスメディアについて

マスメディアに對する措置として、先づ爲さねばならないことは、『社團法人日本新聞協會』を解散させることである。自主的解散ができなければ解散命令を出さねばならない。『社團法人日本新聞協會』(以下「新聞協會」といふ。)とは、第二章で述べたとほり、占領下の昭和二十一年七月二十三日に、GHQの言論統制と檢閲を容認させることと引き換へに存續を許されたマスメディア各社で設立されたものをいふ。

新聞協會に屬する各メディアは、このやうな實態であるにもかかはらず「民主主義的新聞社」であると世論を欺罔し續け、プレスコードを忠實に遵守して占領憲法がGHQの強制によつて制定された事實を祕匿し、その他占領統治の實態について桑港條約に至るまでのその本質的な部分を一切報道せず、GHQに迎合した樣々な虚僞報道を繰り返してきた。さらにまた、講和獨立後においても眞實を報道せず、逆に、これまで通りの歪曲報道を繰り返して今日に至つてゐる。「客観報道」とか「民主主義的新聞」なるものは幻想である。GHQの忠實な走狗となつて國民を欺き、自己保身のため占領政策に迎合して虚僞報道を流し續け、しかも、現在に至るも眞相を告白して懺悔することも、國民に謝罪もしないのは、報道機關としての本來的使命を放棄したものである。それゆゑ、このやうなメディアは、敗戰利得者の典型であり、その存在自體が公益を害する反社會的なものであるから、設立許可の取消又は解散命令の對象となる(民法第七十一條、會社法第八百二十四條など)。早晩、個々のメディアに對して順次審査を經て解散命令がなされるとしても、まづは、その巣窟となつた新聞協會は直ちに解散命令(設立許可の取消)がなされる必要がある。

そして、日本新聞協會の解體の次は、記者クラブの解體である。これは、マスメディアによるアクセス權の獨占を否定することにある。「メディア」の語源は「靈媒」とされてゐるが、靈媒師のやうに神の意志を獨占的に傳達することができるとの傲慢さを意味する言葉に他ならない。

ところで、このメディアの解散に關して留意すべきは、解散命令の檢討對象となるメディアのうち、同じく新聞協會に屬してゐる日本放送協會(NHK)については、『放送法』(昭和二十五年法律第百三十二號)第五十條第一項に、NHKの解散について「別に法律で定める」としながら、この法律(NHK解散法)は、占領下で制定された放送法が施行されてから現在まで約六十年も經過しながらも、未だに制定されてゐない點である。これは違法な立法不作爲の典型であつて、直ちに解散に關する法律が制定され、解散に向けて檢討されるべきである。

また、この放送法に關して、その第三條の二第一項には、「放送事業者は、國内放送の放送番組の編集に當たつては、次の各號の定めるところによらなければならない。」とし、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」(第一號)、「政治的に公平であること。」(第二號)、「報道は事實をまげないですること。」(第三號)、「意見が對立している問題については、できるだけ多くの角度から論點を明らかにすること。」(第四號)を定めるが、現在の報道は、悉くこれらが遵守されてゐない。ところが、これが是正されなくても、放送法もこれと同時に制定された『電波法』(昭和二十五年法律第百三十二號)にも、認定の取消や免許の取消の事由となつてゐない。このことが、マスメディアの傍若無人な虚僞報道を許す結果となつた元凶である。

このやうなことは、放送媒體のみならず新聞等の活字媒體についても同樣であり、放送法といふ個別法ではなく、「報道法」といふ一般法を制定する必要がある。放送媒體などの免許事業は當然にこれに服するが、活字媒體のうち、一般報道を行ふものとして屆出をしたメディアに對して適用があるものとし、放送法第三條の二第一項各號のやうな公平公正な編集基準を逸脱する報道内容については適正な法規制が必要となる。尤も、政黨や思想團體、宗教團體などの特定報道を行ふものについては、その屆出は不要であり規制は受けないが、報道品質表示義務(報道傾向、思想傾向に關する具體的な説明義務)を負擔させ、それを開示させる必要がある。受け手がそのメディアの報道内容が公平公正なものであると誤解を與へないための措置である。しかし、特定報道は、論評は自由ではあつても、事實に關して虚僞報道や捏造報道をすることが許されることはなく、これらが規制されることは當然である。

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