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連載:千座の置き戸(ちくらのおきど)【続・祭祀の道】編

第百六十六回 飽和絶滅の危機 その十

ほやのきが はげしくしげる そのはてに さくらほろびて ともにつひゆる
(ほやの木(宿り木)が激しく茂るその果てに桜(宿主)滅びて共に潰ゆる)


有害な「言論」と有害な「食品・医薬品」についての取扱ひと考へ方は決定的な違ひがあります。


有害と思はれる「言論」は、初めから政府が排除する(検閲する)のではなく、事後の議論、討論によつて淘汰されるとするのが、言論の自由のあり方です。


他方、有害ではないかと思はれる食品や医薬品は、それが広がつて被害が出てからでは遅いので、これらが出回る前に、事前に安全性が証明されない限り、これを販売したり頒布したりすることはできないのです。


この基準で考へたとき、今回の武漢ウイルスのワクチンについて、安全性の証明責任と説明責任は、製薬会社と政府にあるのですが、それが守られず、これまでのワクチン禍を出した場合と同じことが繰り返されてゐます。


これまで、政府は、「安全性と有効性を確認した上で」ワクチンの接種を奨めるとしてきましたが、いつの間にか、「有効性と安全性を確認した上で」となつて、安全性と有効性の優先順位が逆転し、いまでは、「安全性」に言及せずに「有効性」としか言はなくなりました。


初めに結論ありきで、外国製のワクチンの安全性等に関する審査を省略して、独自に安全性等の検証をしないまま早々と購入契約をして、「特例承認」することを当初から決めてゐたのです。


まさに、「由らしむべし知らしむべからず」です。


つまり、政府が安全で有効だとして特例承認したので、安全性と有効性の確認はできたのであるから、国民がこれにつべこべ言ふ権利は一切なく、国民は、それを信じて従へばよく、安全性と有効性について国民に説明する必要はないとしてゐるのです。


ですから、一度も、安全性と有効性について、政府広報などで詳しく説明したり、公聴会を開くなどして、国民からの様々な質問をメール等で受け付けてそれに真摯に回答することが必要なのに、そのやうなことを全くしないのです。


安全であると証明できないものは、たとへ有効なものであつても導入してはならないのです。そもそも、危険なものなのに有効であるといふ意味は、全く解らないことです。政府は、安全性はそつちのけで、効果があるとして前のめりになつてゐますが、ここでは、安全性と有効性について、個別的に検討してみたいと思ひます。


まづ、安全性についてです。


ファイザー製とモデルナ製のワクチンは、mRNAワクチンであり、武漢ウイルスのRNA情報の設計図をPEG(ポリエチレングリコール)化脂質ナノ粒子といふ高分子化合物(ポリエーテル)の油性アジュバントで包んだものです。アジュバントといふのは、免疫を形成させることとは無関係な補助剤(添加物)のことです。設計図はそのままだと壊れやすいので、それを油膜の包装紙といふ異物に包んで体内に注入するといふものです。


まづ、人工的な高分子化合物の安全性には問題があり、設計図もまた異物ですし、これを油の包み紙に包んで体内に注入しますので、これらすべてを異物として体内が抗体が作られることになるため、免疫機序に混乱を生じさせることになり、サイトカインストームなどといふ異常な症状が生まれる可能性があります。


また、これにより急激な副反応や抗体依存性免疫増強(ADE)、アナフィラキシーショック、さらには、ギランバレー症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)などの自己免疫性疾患を発症する可能性もあります。


このことは、アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンについても同様です。これは、自然界で人類や動物に広く蔓延してゐるアデノウイルスを改造して、武漢ウイルスの設計図を入れて外側にスバイクを取り付けたものを体内に注入するもので、設計図を含めていろいろな種類の異物を注入することになりますので、これもまた免疫機序を混乱させる可能性があります。


たとへば、消化器系から取り入れても有害ではないものであつても、いきなり体内の体液中に注入すれば問題が出てきます。口から油を飲み込むのと、血管や筋肉に油を直接に注入することとは同じではないのです。


口から食道、胃腸、肛門に至るまでの消化器系統や、口、鼻孔から気管支、肺胞に至るまでの呼吸器系統は、人体からすれば「外側」です。人体といふのは、竹輪(ちくわ)のやうなもので、内側と思はれる消化器系統などは、竹輪の中空の部分で、これも外側なのです。竹輪の身の部分(内側)ではないのです。そして竹輪の中空部分である外側から取り入れたものを物質代謝、エネルギー交換をして内側(竹輪の身の部分)に取り入れたり排泄したりするのです。


消化器官から取り入れる食物を液状にして注射器で直接体内に注入することが著しく危険であることは誰でも解るはずです。


このことは、異物の巨大な塊を油膜に包んだアジュバントを注入する子宮頸がんワクチンも同じものであつて、ワクチン禍の問題を引き起こす可能性があり、現に起こつてゐるのです。


武漢ウイルスのワクチンの接種は、筋肉注射によりますが、なぜ皮下注射でも血管注射でもないのかが解りません。同じ長さの注射針でも、接種する人の個人差があるので、注射針の先端が腕のどこの部位に到達するかも不明です。動脈に注入されるのか、静脈に注入されるのか、それ以外の部位に注入されるのかが不明です。ワクチンがどの部位に注入されるかによつて、免疫機序に違ひが出るはずです。とりあへず注射すればよいといふものではないはずです。そこにも危険が潜んでゐます。


次は、有効性についてです。


有効性については、ファイザー製は95.0%、モデルナ製は94.5%、アストラゼネカ製は70.4%とされてゐますが、これについては企業秘密だとしてエビデンスが示されたことはありませんので、どこまで信用性があるのかといふ疑問があります。


信憑性は定かではありませんが、極めて短い期間(2か月程度)の第Ⅲ相試験(大規模試験)がなされ、その被治験者は数千人ないし数万人とされてゐます。しかし、感染爆発してゐるアメリカなどの地域での治験では、既に罹患して治癒し免疫を獲得した人数が相当程度含まれてゐる筈なので、データが正確であるとは到底考へられません。また、接種者群と非接種者群との選別も意図が混入してゐる可能性が高いと思はれます。


ワクチン接種率が高いイスラエルなどでは、ワクチンの効果を過度に強調してゐますが、これも国内政治と国際政治上の理由が大いに影響してゐるために、そのまま信用することはできません。政権を維持するために、ワクチン接種による人体実験のデータを提供することを約束して導入した政治的方針により、効果があつたとして改竄したデータを提供してゐる可能性もあります。


ワクチンは、まさに「営利産業」です。一日も早く販売すれば巨額な利益が得られます。これまでも、子宮頸がんワクチンのサーバリックスの製造会社であるグラクソ・スミス・クライン社(GSK)では、常習的にデータの隠蔽してきた事実があり、これは、GSKだけに限つたことではありません。利益のためには、データの改竄は平気なのです。


ワクチン製造会社は、「我が亡き後に洪水よ来たれ」と、フランス王ルイ15世の愛人ポンパドゥール侯爵夫人の言葉のやうに、日本政府は特措法まで制定して、ワクチン禍が起こつて賠償を政府が肩代はりしてくれるので、一日も早くワクチンを売つて大儲けすることに徹してゐます。


しかも、それを知りながら、政府は予定通り特例承認をなし、これまでもワクチン禍を引き起こしたのです。特に、今回の武漢ウイルスの場合は、貧困国の貧国者を押しのけて、自国だけ自国民だけが優先的に助かりたいとして、カネの力でワクチンを買ひ漁り、ワクチン信者の国民を安心させなければ、その不満が爆発して政権が倒れる恐れがあるため、こんな状況でもオリンピックを開催したいといふ独り善がりの思ひにかられてワクチン政策を推し進めてゐるのです。


そもそも、ワクチン接種の目的は、国民の70%程度がワクチンによつて免疫ができることによつて集団免疫を獲得して武漢ウイルス禍を収束させるといふものです。

ところが、これらのワクチンの効果が維持する期間は6か月程度であり、変異種には効果が期待されないため、ワクチンが安全で有効だと信じてゐる人は、ワクチンを毎年2回づつ接種しなければならなくなります。しかも、国民の70%の接種が完了するのが6か月以上必要となるとすれば、6か月内に70%の接種率は達成できず、いつまで経つても集団免疫はできません。つまり、ワクチン接種の目的は達成できないことを初めから予測できてゐるのに、それでもワクチン接種を続けるといふのは、別の目的があるからです。


接種する手続の複雑さからしても、オリンピックまでに困民の70%接種は実現できませんし、集団接種の場合は、掛かり付けの医師ではないので、その都度、既往症の治療経緯を問ひ合はせしたり、アレルギー反応の検査や問診などを行ふことになると、1人の接種に要する時間は、そんな簡単に短時間では終はりません。


仮に、70%の接種率を達成できたとしても、次の年も同じやうに接種する必要となり、ワクチン接種はいたちごつこの恒例行事になるだけで、これによつて武漢ウイルスとその変異種のパンデミックが収束できることはあり得ないことになります。


武漢ウイルスとしても、人間との関係において、その感染力の強弱が死活問題となるため、一旦罹患した人間に対しても、既存の抗体を回避して再感染させるために、「逃避変異」がなされてゐることが確認されてゐます。


ところで、令和3年2月10日発売の『文藝春秋』3月特別号に、知念実希人(作家、内科医)の『「アンチワクチン」デマに欺されるな』といふ作文(論文と評価できるものではない)の文章が掲載されました。

さぞかし、私の疑問に丁寧に答へてくれるものかと期待して1000円を出して買つて読みましたが、完全に「欺されました」。この人は一体何者なのでせうか。


中江兆民は、帝国憲法について、「通読一遍唯だ苦笑するのみ」といふ傲慢不遜な言葉を吐きましたが、この知念作文こそ、この言葉が当てはまります。


知念作文は、これまで提起してきた疑問や疑惑には全く答へず、根拠も示さずに安全で有効だと決めつけるだけで、「悪質なデマを発信したりすることはウイルスの味方につくのと同じです。」と言ひ切ります。


これまで指摘してきたことは、合理的な疑問であつて、「悪質なデマ」ではありませんが、ワクチンについて否定的な見解を示すことが、どうして「ウイルスの味方」なのか理解に苦しみます。否定したり疑問を呈したりする者を武漢ウイルス扱ひにする妄言です。


各国でワクチン接種率が高くなつたために感染率が低下したといふ根拠は示されてゐません。第三波が収束してきたのは、ワクチンの効果ではなく、自然感染によつて集団免疫が形成され、感染率が低下してゐるとも考へられるのです。


この知念作文では、ワクチンが安全で有効であるとの医学的知見やエビデンスを全く示さず、自己の僅かな経験を肥大化させてゐるだけです。そして、この作文のサブタイトルには、「ワクチンはパンデミックを終息させる最終兵器である。」とありましたが、これには強い違和感を感じました。


「ワクチンは・・・最終兵器である。」といふ言葉は、「ワクチンは、国際オロチが世界の全人民を攻撃する最終兵器である。」といふやうに聞こえます。


ワクチン開発の目的は、ビル・ゲイツが平成22年1月のダボス世界経済フォーラムにおいて述べたとほり、世界の人口を10%から15%減少させるためのもので、不妊化、短命化を誘導するものであることは明確です。その方針によつて、不妊ワクチンである子宮頸がんワクチンを開発して普及させ、今回もまたワクチンの開発競争、接種競争を煽りました。


現在では、ワクチンの「接種義務」はなく、接種することの「努力義務」に留まりますが、いづれ「接種義務」になる筈です。現に、渡航する場合は、接種証明を必要とするので、実質的に接種義務があります。そして、そのうちに、ワクチンに奴隷化するためのナノチップを加へたものを全人民に接種させ、国際オロチの奴隷民とする企てを進行させる準備が着々となされてゐるのです。

南出喜久治(令和3年3月1日記す)


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